オフィスのセキュリティとは?守るべき「3つの要素」

オフィスのセキュリティとは、企業にとって重要な資産である以下の3つの要素を不正アクセス、盗難、災害などのリスクから保護することを指します。

物理的な資産(設備・備品)

オフィスビルや什器、PC、サーバー、紙の重要書類、

そして従業員の安全など、目に見える資産です。

主な対策:
入退室管理、監視カメラ、施錠管理、防災対策

デジタル情報資産(データ)

顧客情報、機密情報、技術情報、財務データなど企業の根幹を成すデータです。

主な対策:
ネットワークセキュリティ、アクセス権限管理、ウイルス対策

人(従業員と来訪者)

従業員や来訪者が安心して働ける、または訪問できる環境の確保です。

主な対策:
BCP(事業継続計画)、ハラスメント対策、安全衛生管理、災害時の避難経路確保

どのようなセキュリティがあるか?具体的な種類と機能

オフィスセキュリティ対策は「物理セキュリティ」と「情報セキュリティ」の2つの柱で構成されます。

柱1:物理セキュリティ(侵入・災害からの防御)

入退室管理システム

ICカード、生体認証(指紋、顔)などで入退室を厳格に管理し、部外者の侵入や内部不正を抑止する

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└エントランス、サーバー室、重要エリア

監視カメラ(CCTV)

24時間録画で不審者の侵入を記録。従業員の安全管理や内部不正の証拠保全にも役立

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└エントランス、執務室、倉庫、ビルの外周

施錠・防災設備

窓や扉の補助錠、耐火金庫、地震対策の家具固定など、物理的な損害を防ぐ

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└書庫、備品倉庫、キャビネット

柱2:情報セキュリティ(デジタル資産の保護)

ネットワークセキュリティ

ファイアウォール、VPN(仮想プライベートネットワーク)などで、

外部からの不正アクセスや情報漏洩を防ぐ

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└サーバー、ルーター、社内ネットワーク全体

PC・デバイス管理

ウイルス対策ソフト、MDM(モバイルデバイス管理)ツールなどで、

マルウェア感染や紛失時の情報流出を防ぐ

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└全従業員のPC、スマートフォン

アクセス権限管理

部署や役職に応じて、データへのアクセスや編集の権限を細かく設定する

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└サーバー内の機密フォルダ、クラウドストレージ

どこにどんなセキュリティが必要か?エリア別対策

オフィスのセキュリティレベルはエリアの用途と機密性に応じて変える必要があります。

エントランス・受付

対策の目的:
不審者の侵入防止、企業のイメージ維持

必要なセキュリティ(優先度順):
└入退室管理システム(ICカード)、監視カメラ、受付システム(来訪者管理)

執務室

対策の目的:
内部不正の防止、情報漏洩対策

必要なセキュリティ(優先度順):
└執務室入口の入退室管理、キャビネットの施錠、クリアデスク・クリアスクリーン

サーバー室・機密倉庫

対策の目的:
物理的な最高レベルの保護

必要なセキュリティ(優先度順):
└生体認証による入退室管理、24時間監視カメラ、無停電電源装置(UPS)、専用の消火設備

会議室

対策の目的:
会議内容の外部漏洩防止

必要なセキュリティ(優先度順):
└防音性の確保、Web会議時の背景設定、機密文書の持ち込み・持ち出しルールの徹底

休憩室・共用部

対策の目的:
従業員の安全確保、リフレッシュ環境の維持

必要なセキュリティ(優先度順):
└監視カメラ(盗難対策)、防犯ブザー、緊急時の連絡体制の周知

オフィスセキュリティ導入を成功させるためのポイント

セキュリティ対策は、単に高額な機器を導入すれば良いわけではありません。「人とシステムと空間」が一体となった総合的な計画が不可欠です。

ポイント1:専門家による「リスクアセスメント」の実施

導入前に情報セキュリティの専門家によるリスクアセスメント(評価)を実施し、自社にとって最もリスクの高い脅威(例:内部不正、サイバー攻撃など)を特定します。これにより、費用対効果の高いセキュリティ対策から優先的に導入できます。

ポイント2:物理と情報セキュリティの「連携」

入退室とPCログの紐付け:物理的な入退室ログと、従業員のPCのアクセスログを紐づけることで「いつ、誰が、どこで、どんな情報に触れたか」を正確に把握でき、内部不正の早期発見に役立ちます。

ポイント3:「従業員教育」と「運用ルール」の徹底

どんなに強固なシステムがあっても、最終的に情報を扱うのは「人」です。

  • セキュリティポリシーの策定:PC利用時のルール、パスワード管理、クリアデスク・クリアスクリーン、来訪者対応など、具体的なルールを策定し、全従業員に徹底します。
  • 定期的な教育:フィッシング詐欺対策や情報漏洩時の対応など、時代に合わせたセキュリティ教育を定期的に実施します。

ポイント4:オフィス設計・施工業者との「ワンストップ連携」

セキュリティシステムの導入は内装工事や電気工事と密接に関わります(例:ケーブル配線、壁の補強、電源の確保など)。オフィス設計・施工業者がセキュリティシステムのベンダーやIT業者と連携し、設計段階から必要な設備(配線ルート、サーバー室の強度など)を考慮することで、導入後のトラブルを防ぎ、コストと工期を削減できます。

まとめ

オフィスのセキュリティ対策は、企業の信頼を未来に繋ぐための「投資」です。しかし、どこに、どんなレベルのセキュリティが必要かを判断するのは、非常に難しい作業です。

私たちミライズワークスはオフィス設計・施工の専門家として、お客様の業務内容や企業文化、セキュリティレベルの要件をヒアリングした上で、物理的な空間設計と情報管理の観点から最適なセキュリティプランをご提案します。

これから移転・改修を検討される際は、ぜひ初期段階からセキュリティとデザインを両立させるミライズワークスにご相談ください。

貴社の重要な資産を守る、最適なオフィスセキュリティを実現しましょう。