備蓄品があるだけでは防げない!オフィス防災に潜む3つの罠

防災訓練や備蓄品の購入は行っていても、実際のオフィス空間そのものの安全性がおろそかになっているケースは少なくありません。オフィス内で特に注意すべき3つのリスクを整理しましょう。

重量物であるオフィス什器の転倒・移動リスク

オフィスには、一般家庭とは比べものにならないほど大型で重量のあるオフィス什器(壁面キャビネット、サーバーラック、大型デスクなど)が存在します。

大地震の揺れによってこれらが転倒すると、従業員が挟まれる直接的な人的被害が発生するだけでなく、重圧によって床材や配線が損壊し、二次被害を引き起こします。また、キャビネット内のファイルや機器が飛散することで足の踏み場がなくなり危険が倍増します。 

避難経路を塞ぐ動線の分断リスク

せっかく避難マニュアルを作成していても、実際の空間で通路や扉が塞がれてしまっては避難ができません。 特に、フリーアドレスを導入しているオフィスで手荷物やワゴンが通路に溢れていたり、会議室のパーティションが倒れて出入口を塞いでしまったりするトラブルは深刻です。非常灯や誘導灯が見えにくいレイアウトになっているケースも注意が必要です。

BCP(事業継続)を阻む通信・データの停止リスク

オフィス防災は従業員の安全確保が最優先ですが、その後の事業の復旧までを見据える必要があります。 物理的な家具の転倒によってオンプレミスのサーバーやネットワーク機器、配線コードが切断されると、業務は完全にストップします。また、水害(ビル上層階からの漏水や集中豪雨による浸水)によって電気設備が破綻するリスクも考慮しなければなりません。

プロが解説!具体的な防災対策のポイント

地震時の被害を最小限に抑えるためには、什器や間仕切りの固定と選び方にプロの技術が不可欠です。

床固定・壁固定・連結固定の正しい組み合わせ

オフィス什器の転倒を防ぐには、設置する場所の構造に合わせた固定方法を選ばなければなりません。 

床固定(もっとも強固)

OAフロア(二重床)の表面だけに固定しても、激しい揺れには耐えられません。必要に応じてスペース埋め用の充填材を介し、下地のコンクリートスラブに直接アンカーボルトを打つか、必要に応じてスペース埋め用の充填材を介してスラブと固定することが推奨されます。

壁固定(補助的な措置)

オフィスの壁の多くはLGS(軽量鉄骨+石膏ボード)の間仕切り壁です。コンクリート壁でない場合は、激しい揺れで壁ごと崩壊する恐れがあるため、あくまで床固定や連結固定の補助として位置づける必要があります。

連結固定(面の強化)

什器同士を上下・左右・背中で金属プレートを用いて連結し、一体化させることで転倒しにくい巨大なブロックにします。特に上下分離型のキャビネットなどは連結固定が必須です。

パーティションの安全設計と気流・防災設備の兼ね合い

空間を区切るパーティションの耐震性も極めて重要です。ガラスパーティションを採用する場合は、飛散防止フィルムを貼付するか、衝撃に強く割れても粉々になりにくい強化ガラス・複層ガラスを選定することが鉄則です。

また、通気性や空調効率を高めるために上部を開放するランマオープン仕様のパーティションを設置する場合でも、天井の構造部材(軽量鉄骨)や床躯体に対してしっかりと耐震補強金具で固定します。これにより、天井の崩落に巻き込まれるリスクを大幅に軽減させることができます。

収納の重心コントロールとラッチ機能

キャビネットの運用ルールを見直すだけでも、防災力は向上します。 重量のある書類やメディアは必ず下段に収納し、オフィス什器全体の重心を下げることで倒れにくくします。

また、地震の揺れで引き出しや扉が勝手に開いて収納物が飛び出さないよう、セーフティロックが付いたラッチ機能付きの什器選定を徹底しましょう。 

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まとめ

オフィス防災は、何か事故や災害が起きてから後悔しても遅い事前の投資です。 9月1日の『防災の日』を絶好の機会と捉え、まずは自社のオフィスの安全性を客観的にチェックしてみませんか?

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