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なぜオフィス照明はまぶしく感じるのか?その主な原因

照明の「まぶしさ」は、主に以下の2つの現象によって引き起こされます。
直接グレア (Direct Glare)
照明器具自体が視界に入り、強すぎる光が目に直接入ること。
天井の蛍光灯やダウンライトが直接目に入るときに生じます。これが最も一般的な「まぶしい」原因です。
間接グレア (Reflected Glare)
照明の光がデスクの天板やPCモニター、床などの反射しやすい面に映り込み、それが目に入ること。
モニターの光が反射して画面が見づらくなるのはこの間接グレアが原因です。
その他の原因
- 明るさのムラ:特定の場所だけが明るすぎたり(スポット的な照明)、明るい場所と暗い場所の差が大きすぎたりすると瞳孔の調整が頻繁になり、目が疲れやすくなります。
- 色温度の不一致:オフィス用途ではない、青みが強い高すぎる色温度(寒色系の光)は目に刺激を与え、まぶしさを感じさせることがあります。
すぐにできる!「まぶしさ」を解消する具体的な対策
照明の交換や工事といった大掛かりな対策だけでなく、今すぐオフィスで実践できる対策もあります。
【対策A】直接グレアへの対策(照明器具の光を直接目に入れない)
- ルーバー・カバーの活用:天井の照明器具に光を拡散・制御するためのルーバー(格子状の仕切り)や乳白色の拡散カバーを取り付けます。これにより、光が直接目に入るのを防ぎ、光を均一に分散させることができます。
- 照明器具の配置変更(レイアウト調整):デスクの配置を見直し、照明器具が視線の正面や真上に来ないように調整します。特にモニター作業をする社員に対しては照明が斜め方向から当たるように配置すると効果的です。
- 照明器具の向きの調整:スポットライトやダウンライトを使用している場合、壁や床など反射性の低い面を照らすように角度を調整します。
【対策B】間接グレアへの対策(反射光を減らす)
- PCモニターの位置調整:
└角度の調整:モニターを少し傾け、照明の映り込みが視界に入らない角度を探します。
└反射防止フィルムの使用:モニターに反射防止(ノングレア)のフィルムを貼ることで、映り込みを大幅に軽減できます。
- 反射性の低い家具の採用:デスクの天板や床材に光沢のないマット(つや消し)な素材を選ぶことで、照明の反射を根本的に抑えることができます。
- デスクライトの活用:天井照明の明るさを落とし、手元だけを照らすデスクライトを導入することで、必要な明るさを確保しつつオフィス全体の照度を下げ、間接グレアを減らすことができます。
そもそも「まぶしくならない」オフィスを作る設計のポイント

オフィス移転やリニューアルの際に設計段階でこれらのポイントを取り入れることで、快適な照明環境を恒久的に実現できます。
均一な明るさの確保とゾーニング
- 間接照明の導入:天井や壁に光を当ててその反射光で空間を照らす「間接照明」は光源が直接目に入らず、柔らかな光で空間を満たすため、まぶしさを感じさせません。
- タスク&アンビエント照明:オフィス全体を照らすアンビエント照明(全体照明)の照度を抑え、必要な作業スペースのみをデスクライト(タスク照明)で照らす手法です。エネルギー効率も良く、集中力も高まります。
照明の色温度と照度の適切な設定
- 色温度の使い分け:
└執務エリア:集中力を高めるため、やや白っぽい光(4000K〜5000K)の昼白色や白色が適しています。
└リフレッシュエリア/カフェ:リラックス効果のある暖色系の光(2700K〜3500K)の電球色を用いることで、メリハリをつけます。 - JIS規格に基づく照度の維持:日本産業規格(JIS)では一般的な事務作業を行う執務スペースの机上面の明るさとして750ルクス(lx)を目安として推奨しています。設計時にはこの基準を満たしつつ、過剰にならないよう注意します。
自然光の活用と制御
採光設計:窓からの自然光を最大限に活用し、照明の使用を減らします。ただし窓からの直射日光は大きなグレアの原因となるため、ブラインドやロールスクリーンを設置して光量を調整できるようにすることが不可欠です。
まとめ:照明計画で社員の生産性を最大化する
「オフィスの照明がまぶしい」という小さな問題は社員の健康と生産性に直結する大きな問題です。照明を単なる「明るさ」として捉えるのではなく、「快適さ」と「機能性」を提供するためのデザイン要素として考えることがこれからのオフィスづくりには不可欠です。
ミライズワークスではオフィス移転・改修の際に、視覚的な快適性やエネルギー効率を考慮した最適な照明計画をご提案いたします。照明のまぶしさ対策やオフィス全体のデザインについてお悩みでしたら、ぜひ一度ミライズワークスにご相談ください。
専門的な照明デザインで貴社のオフィスを「快適で生産的な空間」へと変革しましょう。