フリーアドレスのオフィス形態が今、増加してきています。ナレッジビジネス化、と言われる近年の知識情報集約型のビジネススタイルでは、
一人一人のワークスペースを柔軟な場所にすることで、部署の壁をなくし、情報の流通を活発にし、新たなイノベーションを起こしていくのに適したスタイルだと言われています。
知人の会社でも、フリーアドレスを実施しているところがあるのですが、「結局みんな同じところに座ってしまう」「ものを置く場所が無くて使いにくい」などの感想を聞いたことがあります。
フリーアドレスが流行っているからといって、どんな業種のどんな会社においても理想のオフィス形態なのでしょうか?
メリットやデメリットを整理して、本当に御社にとって理想の形態なのか、考えていただけたら、と思います。
フリーアドレスとは、デスクに社員固有の場所を指定せず、各々が日々空いたスペースに座って仕事をする、というオフィス形態です。
フリーアドレスオフィスの発祥は、意外と古く、バブルの真っ只中1987年までさかのぼります。
しかし、当時の「1人1つのデスクを持つ」企業体質のもとでは、普及は進みませんでした。
書類の受け渡しが業務で多く発生し、電話も固定電話しかなく、インターネット回線も無線LANもない業務環境だと理念の実現が難しかったという背景もありました。
元々フリーアドレスという仕組みは、国土や都市面積が狭く、一人一人のオフィスの占有面積が少なかった日本で、限られたオフィススペースを有効利用するという要請から生まれたものでした。
今のフリーアドレスオフィスに求められている需要は、「社員同士の交流による高度な情報の受け渡しの活発化」「イノベーティブなビジネスの促進」という、
ビジネスを活性化する目的のほうが大きいです。
高度な情報を共有しながら進めていかなければいけない、企画系の職種、IT系のサービス開発などの職種では、アイデアのブレイクを触発する、コミュニケーションが必要なケースが多いです。
「ふらふらと歩く」「人的交流の多い」企業文化がフリーアドレスをきっかけに生まれたら、イノベーションのきっかけになることが期待されます。
「自席」という概念がないので、書類を貯め込むことがなくなります。これをきっかけにペーパーレス化が進み、デジタルアーカイブにすることで、一元化され、セキュリティ管理がしやすくなる
例えば部署などに分かれているとき、フリーアドレスでいろいろなところに座ることによって、チーム感、部署の帰属意識が薄れてしまう懸念があります。ただ「帰属意識」そのものの必要性も近年見直されつつありますので、会社のスタイルによりますね。
職種によってはパソコン作業オンリーというわけではなく、道具や資料などが手元にあったほうが効率が良い業務もございます。そういった業務にはフリーアドレスオフィスは向いていない、といえます。
取引先とのやりとりがある以上、完全に「ペーパーレス」というわけにはいかないようです。
各自の持ち物をどこに置けばいいのかどうか、困る人は多いみたいです。こちらも、個人ロッカーの設置で解消するケースが多いです。
図書館の閲覧席などで、自分の席の場所取りで席を占有する人っていませんでしたか?
フリーアドレスオフィスでも、このような「自席の占有」という問題があるようです。
会社全体で、このようなモラルを守るような働きかけがセットで必要になってきます。
書類を多く扱ったり、周りをある程度遮断して業務を行わなければならない職種には、明らかにフリーアドレスは向きません。
「流行しているから」と、業種、職種問わずフリーアドレスオフィスを導入してしまうと明らかなミスマッチや業務効率の低下が起こってしまう恐れがあります。
フリーアドレスが合っている部署なのか?業種なのか?ということをよく考察して導入するようにしてください。
弊社はフリーアドレスオフィスも多数施工させていただいております。「フリーアドレスが会社に適しているかどうか?」というところからカウンセリングさせていただき、
御提案させていただきます。
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